「インサイダー取引の最高裁判例は知らなかった」村上ファンド事件証人・滝沢 建也氏への検察側再主尋問

「インサイダー取引の最高裁判例は知らなかった」村上ファンド事件証人・滝沢 建也氏への検察側再主尋問

脱税

  • 平成 16 (2004) 年 2 月 12 日に、東京地方裁判所で敗訴した
    • 在日米国大使館職員は収入の 6 割を申告することが慣例だったが過少申告を指摘され、証人ともう 1 人が税金を払った上で訴訟を起こした
      • もう 1 人は 1 審で一部勝訴したが、控訴審で逆転敗訴した
      • 証人は「6 割を大幅に下回っており、慣例を認識していなかった」として、1, 2 審とも敗訴した
  • 4 月に、ニッポン放送に対して株主提案を行った
    • 村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)・丸木 強氏(M & A コンサルティング代表取締役)・証人を社外取締役とする目的は、以下の通り
      1. フジテレビを親会社にする
      2. 必要以上に払っている税金を減らす
    • 2 と証人の過少申告は、関係ない

ストラテジック・バイヤー

  • 同じ資料の別のページで、ストラテジック・バイヤーを異なる意味に用いたことがある
    1. 「ストラテジック・バイヤーへの株式譲渡」
    2. 「1 〜 3 月に購入するストラテジック・バイヤー」
    • 1 は「発行済株式数の大きな割合を取得して、経営権掌握を目指す者」で、2 は「プロキシー・ファイトの援軍」
    • 資料を説明したときに、両者の「ストラテジック・バイヤー」の違いについては触れていない
  • 平成 17 (2005) 年 1 月 28 日に、取締役会を行った
    • 資料に、「ストラテジック・バイヤーがニッポン放送に興味を示している」「ストラテジック・バイヤーがニッポン放送の経営権を掌握することが可能な場合」とある
      • いずれの「ストラテジック・バイヤー」も、「発行済株式数の大きな割合を取得して、経営権掌握を目指す者」の意味
    • 「来年開催の株主総会で、経営権を掌握すべく取締役を選任する」とある
      • ニッポン放送に対しては敵対的で、フジテレビに対しては表面上敵対的
      • 村上被告が日枝 久氏(フジテレビ会長)に会ったとき、「断固たる姿勢を取る」と言われたことは聞いていない
      • 平成 16 (2004) 年 11 月頃に日枝氏がプロキシー・ファイトに反対していたとしても、双方に有益だから取締役選任は諦めず、敵対的プロキシー・ファイトも辞さなかったろう
      • (「大量保有報告書の目的欄が、『純投資』ではなくなる」との検察側に対し)今思えば中島 章智弁護士(MAC アセットマネジメント取締役)に相談すべきで、コンプライアンス担当取締役でありながら思い至らず、判例も検討しなかった

ニッポン放送株の出口戦略

  • 「平成 16 (2004) 年 11 月 00 日 ニッポン放送への対処方針について」という資料で、取締役候補者を挙げた
    • この中から、代表取締役を選ぶとは限らない
    • 平成 16 (2004) 年 12 月末までに確答を得たのは、安延 申氏(ウッドランド社長)のみ
      • 村上被告が、安延氏に「お子様すぎるよ」と言われていたことは初耳

インサイダー取引

  • 当時は、「5 % 以上購入の決定」がインサイダー取引に当たる、と考えていて、「5 % 以上購入の準備行為の決定」とは思わなかった
    • 証券取引法第 167 条ではなく第 166 条
    • 最高裁判所の判例は、知らなかった
      • 傍聴者注:平成 11 (1999) 年 6 月 10 日の日本織物加工株式インサイダー取引事件を指すものと思われる
    • 平成 18 (2006) 年 5 月 21 日から始まった取調べで知り、神崎 克郎「証券取引法」を読んでから意識するようになった
  • インサイダー取引に抵触しそうな情報は、情報管理シートに記入していた
    • 平成 17 (2005) 年 5 月 11 日に、村上被告が MAC アセットマネジメントに対して、ある製薬会社について「買付停止のお願い」と入力した
      • 「ファイナンスの目途も立っていないが、第 167 条に触れる可能性がある」とある
      • (「インサイダー取引には取締役会決議が必要、と考えていたとは思えない」との検察側に対し)本気であれば準備段階でも記入した
    • 2 月 3 日に、「ニッポン放送株の売買停止」と入力した
      • 情報管理シートには載せていないが、1 月 28 日に中島弁護士と相談して取引を止めた
      • 1 月 28 日に、熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)が「外国人株主に連絡したい」と村上被告に電話してきた
      • 資金調達の話をしたか不明
      • 量は 5 % 以上と推測したが、「全部購入したい」と言われたかもしれない
  • 1 月 17 日に、フジテレビが「5950 円でニッポン放送を TOB する」と発表した
    • 売買状況が大きく様変わりした
    • 1 月 20 日頃からライブドアがたくさん購入するかもしれない、と思い始め、1 月 28 日の熊谷被告からの電話で完全にインサイダー取引になる、と感じた

ライブドア

  • 平成 16 (2004) 年 6 月 23 日に、取締役会を行った
    • コンテンツ・サービス会社フェイスとライブドアとリップルウッドが、1 〜 2 % 購入してくれれば嬉しかった
  • 7 月 28 日に、取締役会を行った
    • 楽天以外は、ほとんど考えていなかった
    • ライブドアについては、6 月 23 日と同じ
  • 9 月 15 日に、ニッポン放送についての会議を行った
    • ライブドアから戻った村上被告が、「反応良かったよ」と言っていた
      • どう良かったかは聞いていない
  • 11 月 8 日に、ライブドアと打合せを行った
    • 9 月 15 日から 11 月 8 日までに何かあれば、村上被告は資料作成を命じるはずだが、何もなかった
    • ライブドアの印象は「山師」
      • TOB の勉強もせず大量保有報告書も見ていない様子で、村上被告のセールストークでフジテレビやポニーキャニオンを欲しがっていたから
      • それまではライブドアと接点がなかったが、元気のある人たちだな、と報道で感じていた
    • ライブドア側は、「村上ファンドとの合計で過半数」を前提にしていた
    • 1 〜 2 % でも取得してくれれば宝なので、最新情報をエクセルで印刷して見せた
      • フェイスに対しても見せたか覚えていない
      • リップルウッドの日本コロムビア株式会社担当の杉本氏には見せた、と思う
    • 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)が、TOB について初歩的な質問をした
      • 時期や公開買付代理人や日本経済新聞の枠取りなど
      • (「ライブドアは株式分割で、日本経済新聞の枠取りには慣れているはず」との検察側に対し)質問した、と思う
    • 塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)が、「村上ファンドが他に売却しない契約をしてくれ」と言った
      • 質問自体が未熟で、場の雰囲気も読んでいなかった
    • 質問が初歩的なので、村上被告が不動産会社昭栄に敵対的 TOB を仕掛けたときの話をした
      • (「失敗に学ぶために聞いていたのではないか?」との検察側に対し)違う、と思う