「買収資金の金額は聞いていない」村上ファンド事件証人・トリイ ジュンコ氏への弁護側反対尋問

「買収資金の金額は聞いていない」村上ファンド事件証人・トリイ ジュンコ氏への弁護側反対尋問

ライブドアとの連絡

  • 平成 16 (2004) 年 9 月 22 日に、塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)から証人へメールが送信された
    • A4 で 2 枚くらいの資料が添付されていた
      • 塩野氏に、「村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)に見せた?何か言っていた?」などと聞かれたことはない
      • その後、塩野氏から新たな資料が示されることはなかった
  • 10 月 5 日に、塩野氏と打合せを行った
    • 9 月 22 日の塩野氏から証人へのメールに「ディスカッションしたいね」とあったが、塩野氏がニューヨークに出張していたので、この日になった
    • 「ニッポン放送株の 1/3 を取得したいが、資金がない」ということなので、何 % という結論は出なかった
    • 打合せ内容をノートにメモした
      1. 「LBO」
      2. 「35 %, 2100」
      3. 「ニッポン放送 34 % の議決権」
      4. 「浮動株 0.2 %」
    • 1 は、塩野氏が言っていた
    • 2 は、「フジテレビの議決権の 35 % を取得するには 2100 億円必要」という意味
      • フジテレビの話も出たが、資金がなかった
      • 塩野氏が言っていたのではないか
    • 3 は、特別決議の拒否権
    • 4 は、市場に流通している株の量
      • 「四季報」2004 秋号を見た
      • 「四季報」以外に、9 月 22 日の塩野氏のメールの添付資料や「N 社について」を持参し、ニッポン放送とフジテレビについてのレポートのコピーを渡した
      • 塩野氏が大量保有報告書を持っていたか分からない
    • ニッポン放送株をどこから買うかや TOB の話もした
    • 「ライブドアが、ニッポン放送株の 20 % を取得する」とは、聞いていない
      • その場合、村上ファンドと外国人株主が 30 % を保有することになるが、塩野氏は外国人株主を信用していなかった
    • 塩野氏は、焦っていた
      • フジテレビが防衛策を講じないうちに、年内に一気に購入したいが資金がなかった
      • 塩野氏は、「200 億円なら何とかなるが、足りないよね」「ライブドアがフジテレビの子会社になってもいい」と言っていた
      • (「塩野氏は、『200 億円のコミットメントラインと 100 億円の現預金、と伝えた』と証言した」との弁護側に対し)記憶にない
    • 塩野氏にやる気はあったが、結論のない打合せだった
  • 10 月 5 日前後に、村上被告から「塩野氏と連絡を取っているか?」と聞かれ、「ライブドアはフジテレビを欲しがっているので、資金を工面している」と答えた
    • 村上被告の反応はなかった
      • 直接、堀江被告に確認したかもしれない
      • 確認したとしても、証人には伝えないだろう
  • 10 月 7 日に、ニッポン放送の件でコンテンツ・サービス会社フェイスを訪問して、打合せを行った
    • 平澤 創氏(フェイス代表取締役社長)に会うのは、3 回目だった
      • 前の 2 回は、6 月に六本木ヒルズで行われた別件の打合せと 7 月か 8 月の村上被告のホームパーティー
    • 石井 賢史氏(M & A コンサルティング取締役)が、説明した
    • 平澤氏は音源を抑えたがっていたので、「ポニーキャニオンが魅力的」と言っていた
    • 証人は発言しなかったが、「N 社について」の資料に目を通した
      • ライブドアのときと同じ資料なので、プロキシー・ファイトに向けて賛同株主を増やそうとしている、と思った
    • 打合せ内容をノートにメモした
      1. 「N 社取締役変える」
      2. 「将来のビジョン」
      3. 「ポニーキャニオンとフジテレビ」
      4. 「1 〜 2 % 未満(役員決議)」
      5. 「5500 円が上限」
      6. 「ホリエモン」
    • 4 の「1 〜 2 % 未満」は、平澤氏が言った記憶がある
      • 「役員決議」はこれから行うのだろう、と思った
      • (「平澤氏は、『役員決議していた』と証言した」との弁護側に対し)記憶と食い違う
    • 5 は、平澤氏が言った記憶がある
    • 6 は、覚えていない
  • 10 月 8 日に、塩野氏から堀江 貴文被告(ライブドア前社長)・宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)・中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)にメールが送信された
    • (「『村上ファンドの担当者と話をしました』とある」との弁護側に対し)10 月 5 日のことだろう
    • (「『ニッポン放送株をブロックで買収可能なので、買収に入りたい』『買取り先は鹿内家と銀行で、合計 18.74 %』とある」との弁護側に対し)鹿内家と銀行のニッポン放送株は購入できない方向で話していたので、記憶と合致しない
      • 「18.74 %」の出典は、「N 社について」だろう
    • (「『浮動株 0.2 %』とある」との弁護側に対し)四季報の数値だろう
  • 10 月 20 日 9 時 43 分に、塩野氏から証人へメールが送信された
    • 「買収資金の借入れが可能になったので、打合せを行いたい」とある
      • 金額は、塩野氏に確認していない
    • 以下は調書にないが、森田弁護士のヒアリングで話しているうちに思い出した
      • このメールの数日前に、塩野氏から「堀江被告はマスコミ対応で捕まらないから、実務担当の宮内被告と塩野氏だけが出席する」とメールか電話で伝えられていた
      • 村上被告に報告すると、「俺が出るのに、堀江被告が出ないとは何事か」と怒られた
      • 村上被告の打合せ調整をしたのは、ニッポン放送以外の案件を含めこのときが初めてだった
      • 「堀江被告が出席しないと駄目」と塩野氏に答えた
    • 9 時 48 分に、塩野氏へ「堀江被告は、出て下さるの?」とメールを送信しているが、5 分間で怒られたのではなく数日前に怒られたのではないか
    • 村上被告は「何で打合せをするんだ」と驚いて、「堀江被告に聞いてみる」と言っていた
      • 「買収資金の借入れが可能になったらしい」と話したかもしれない
  • 11 月 4 日に、ライブドアで塩野氏と打合せを行った
    • 打合せ内容をノートにメモした
      1. 「鹿内から取りにくい。ウジウジしている」
      2. 「外国人株主からブロックで取りにくい。取れても 10 〜 20 万株」
      3. 「TOB したら、うちが売る」「話を聞かない方がいい」
      4. 「スパンと一気にやった方がいい」
      5. 「(1) TOB は無理」「(2) 30 % →うち→ 50 %」
    • 4 は、塩野氏が「年内」と言っていた
      • 量は覚えていないが、50 % だろう
    • 5 の (1) は、50 % 取得に必要な資金が 800 億円なので無理
    • 5 の (2) は、ライブドアが 30 % を取得すれば、村上ファンドの 20 % と合わせて 50 %
    • (「塩野氏は、『20 % を取得するイメージ、と言われた』と証言した」との弁護側に対し)記憶にない
    • (「塩野氏は、『300 億円の資金調達が可能、と伝えた』と証言した」との弁護側に対し)話が出ていれば、メモを取っているはず
    • 塩野氏は、「フジテレビが TOB を行う可能性は高い」「フジテレビの TOB があれば応じる」「負けはない」と言っていた
    • 担当者どうしの打合せだから、インサイダー取引に抵触するとは思わない