「村上被告に報告しなかった」村上ファンド事件証人・トリイ ジュンコ氏への弁護側反対尋問
証人の経歴
- 新卒で、日興証券に入社した
- 日興シティグループ証券に移籍後、株式調査部に所属してシニア・アナリストが行う会社訪問・ヒアリング・業績予想などの補助業務を担当した
- 平成 16 (2004) 年 4 月に、M & A コンサルティングに入社した
- 新行内 敦子氏(M & A コンサルティング社員)の指示で、投資会議のための銘柄レポートを作成した
- 開示情報からドラフトを作成して、新行内氏が確認した
- 村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)に、「必要があれば、担当会社をヒアリングしてくれ」と言われた
- 原則として、村上被告や丸木 強氏(M & A コンサルティング代表取締役)に同行した
- 3 人のアナリストの中で、一番新米だった
- 夏までに、買収に携わったことも勉強会などに参加したこともない
- 座席は B ゾーンにあり、村上被告のいる A ゾーンとは壁で仕切られていた
- 村上被告と話をするのは週に 1 度の投資会議で、その他は必要に応じて 1, 2 回
- B ゾーンの証人以外のほとんどには、M & A の知識があった
ニッポン放送とフジテレビ
- 夏頃、ニッポン放送株は村上ファンドの最重要銘柄の 1 つだった
- ニッポン放送やフジテレビのレポートを作成した
- 新行内氏の指示だろう
- 日興シティグループ証券で、エンターテインメント業界やゲーム業界を担当していたからだろう
- 7 月 23 日に、フジテレビのレポートを作成した
- 7 月 27 日に、ニッポン放送株の出口戦略についての打合せに出席した
- レポートを作成したから呼ばれたのだろう
- 村上被告がニッポン放送株の出口戦略をどう考えているか知らなかった
- イノ コウジ(表記不明)氏(M & A コンサルティング社員)が、プレゼンを行った
- 打合せ内容をノートにメモした
- 「フジテレビ TOB」
- 「三木谷 浩史氏(楽天会長兼社長)に売る」
- 「経営陣に村上ファンド」
- 3 はプロキシー・ファイトだが、どう転がるか分からなかった
- 8 月 18 日に、ニッポン放送のレポートを作成した
- 企業価値を算定した
- 直後の投資会議で説明して、「購入する」という結論だったので、「GO!!」と手書きで書込んだ
- この時点で、ニッポン放送についての会議には 1 度も出席していない
ライブドアとの連絡
- 9 月 15 日昼に、塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)から証人へ「お仕事することになりました」とメールが送信された
- 塩野氏は大学時代に同じゼミで、6 月の証人の結婚式にも招待していた
- 何のことか分からなかったが、夕方に村上被告から聞いた
- 9 月 15 日夜に、ニッポン放送についての会議に初めて出席した
- 9 月 15 日に、石井 賢史氏(M & A コンサルティング取締役)から丸木氏・証人へ「16 時 30 分から、ニッポン放送についての会議に出席して下さい」とメールが送信された
- 出席者は、村上被告・丸木氏・滝沢 建也氏(M & A コンサルティング副社長)・石井氏・証人だろう
- 村上被告が、「午前中に石井氏とライブドアに行き、ニッポン放送株を薦めた」と話した
- 村上被告が、「塩野氏が担当だ。知っているだろう。連絡を取って進めてくれ」と証人に言った
- 村上被告が「塩野氏をたぶらかせ」と続けると、滝沢氏が大笑いした
- 「何をすればいいんですか?」と尋ねると、村上被告は「とりあえず、お勉強していればいい」と答えた
- 「とりあえず、お勉強していればいい」とノートにメモしたのは、前後の日付から翌日か翌々日
- 「塩野氏と、どちらが頭が良いんだ?」とも聞かれた
- 証人の知識を提供して、プロキシー・ファイトに備えて 1 〜 2 % でも味方を増やすのだろう、と思った
- 「ライブドアがニッポン放送を買収するのを手伝う」とは、聞いていない
- 買収は株のアナリストの範囲を超えるし、ライブドアに資金があるとも思わなかった
- 折衝担当は初めてだったが、塩野氏と友人だから選ばれたのだろう
- (「石井氏のメモに、『株主名簿』『村上ファンドが経営権を取ったら配当』とある」との弁護側に対し)話が出たかもしれない
- 当時、ライブドアは「行け行けドンドン」の会社、という印象があった
- 勢いはあるが、実体を伴わず危ない
- 塩野氏から聞いた話も大袈裟だった
- 塩野氏は、悪気はないのだろうが誇張する傾向がある
- 会議終了後、石井氏から「N 社について」の資料を受取った
- ライブドアで説明に使った資料だと思い、すぐに目を通した
- 9 月 17 日に、塩野氏と昼食を摂った
- 店名は忘れたが、六本木ヒルズ近くのスパゲティ屋で、個室ではなかった
- 塩野氏は「取りたいね」「魅力的だね」と言う一方、「無理だよね」と漏らした
- ライブドアがニッポン放送の経営権を掌握するのは無理だろう、と証人も思った
- ライブドアと村上ファンドの合計で過半数、という話はなかった
- 資金調達の話も出たと考えるのが自然だが、記憶にない
- (「供述調書に、『ライブドアはフジテレビを取りたい印象だった』とある」との弁護側に対し)買収スキームの話はなかった
- 塩野氏の感触から、証人の役割は 200 % 終了した
- 昼食のことは、村上被告に報告しなかった
- 9 月 18 日に、塩野氏から宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)・中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)にメールが送信された
- (「『トリイ氏と話をしたところ、先方はキャッシュインのタイミングと、買収した際にライブドアにどこまでやらせるか検討中のようです』とある」との弁護側に対し)何のキャッシュか分からない
- (「『先方も、それほど急いでいない様子』とある」との弁護側に対し)言った記憶がない
- (「宮内被告は、『ライブドアが主体なのに、村上ファンドが主体みたいなメールだった』と証言した」との弁護側に対し)「どちらが主体」という話はしていない
- 9 月 22 日に、塩野氏から証人へメールが送信された
- A4 で 2 枚くらいの資料が添付されていた
- 9 月 17 日に塩野氏が「考えをまとめて送る」と言っていたので、具体的な案が届くと思っていたら、抽象的で中身がなかった
- 村上被告には、報告していない
- 「塩野氏は、頭が悪い」と言われるから
- 会議でも、曖昧な発言をすると怒られた
- 塩野氏に「もっと具体的に」「村上被告には、報告していない」とは言えず、「ニッポン放送の経営権を掌握する前提で書いたのね」「お互いのシナリオや欲しいところを摺合せましょう」と 1 時間半後に返信した
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