「熊谷被告は村上ファンドのニッポン放送株売却を心配」村上ファンド事件証人・清水 幸裕氏への証人尋問

「熊谷被告は村上ファンドのニッポン放送株売却を心配」村上ファンド事件証人・清水 幸裕氏への証人尋問

検察側主尋問

  • 平成 18 (2006) 年 6 月 19 日に、証券取引等監視委員会で供述調書を作成した
    • 当時の肩書は、ライブドア証券会長
  • 平成 16 (2004) 年 7 月から平成 17 (2005) 年 2 月まで、日興シティグループ証券でライブドアを担当していた
  • 平成 16 (2004) 年 11 月に、熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)から資金調達していることを聞いた
    • 金額は、12 月になってから知った
    • 当時のノートに、以下のメモが残っている
      1. 「ライブ」「リーマン」「JP モルガン」「360 億円」
      2. 「村上さん」「600 億円」「ニッポン放送」
    • 前後の日付から、1 は 12 月 10 日前後/2 はクリスマス前の記入であることが特定できる
  • 日興シティグループ証券がライブドアに対して調達できる金額は、MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)で 60 億円だった
    • 60 億円はライブドアだからではなく、日興シティグループ証券の MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)の融資上限
      • シティグループは格付けを AAA にするために、過度のリスクを負わない
      • MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)は、資本から 100 % 控除されるので格付けに影響がある
      • ユーロ円 CB は、投資家に売却するので資本に無関係
      • MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)は公募 CB に比べ、以下の特長がある
        1. 調達金額が大きい
        2. 2, 3 週で調達できるので、機動性が高い
        3. 株式の売買を制御できる
    • 当時のライブドアに対して、MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)で 500 億円の融資を行う証券会社はあっただろう
      • ライブドア株は、流動性が高いから

弁護側反対尋問

  • 7 月以降、ライブドアは日興シティグループ証券の口座でニッポン放送株を少しずつ購入していた
    • 熊谷被告から、「ニッポン放送株を購入しておけばフジテレビを支配可能ということもあるが、売却しても利益が出るから、どちらに転んでもいい」と聞いた
      • ニッポン放送とフジテレビの資本のねじれは、一般常識
    • 熊谷被告は、「堀江 貴文被告(ライブドア前社長)がフジテレビの経営権に興味があるので、ニッポン放送株を購入する。村上ファンドも、ニッポン放送株を持っている」とも言っていた
      • 具体的には聞いていない
    • 7 月は「ライブドアと村上ファンドで過半数」とは知らず、その後で知った
      • 熊谷被告から、村上ファンドの取得率を聞いた記憶はない
  • ライブドアが日興シティグループ証券の口座で購入したニッポン放送株は、以下の通り
    • 7 月 8 日から 8 月 20 日までに 12880 株
    • 8 月 21 日から平成 17 (2005) 年 1 月 7 日までに 6300 株
      • 平成 16 (2004) 年 10 月 21 日に「最近どう?」と電話を入れると、熊谷被告が「買いますよ」と 6300 株を一括購入した
      • (「『村上ファンドが、ニッポン放送株を売却した』との噂が流れて、株価が低迷した時期か?」との弁護側に対し)株価推移は覚えていない
    • 約定に至らない注文が、少しあったかもしれない
  • 当時、ライブドアがニッポン放送株を購入している意図について、うまく行けばニッポン放送からフジテレビ到達、うまく行かなければ余資運用だろう、と思っていた
  • 平成 17 (2005) 年 1 月上旬に、熊谷被告に「日興シティグループ証券内の村上ファンドの売買状況を調べてくれ」と頼まれた
    • ライブドアの MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)発行決議前
    • 1, 2 回言われて、その度に調べた
    • 目的は、「村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)の言っていることが本当か調べるため」とのことだった
    • 「ハッキリとは分からないが、買っているみたいですよ」と報告した
      • 具体的な金額と株数は、伝えていない
    • (1 月 27 日に、熊谷被告からライブドア社内へ『村上ファンドが日興シティグループ証券で 5950 円と 5940 円で買い注文 30 万株くらい、と日興シティグループ証券から聞いた』とメールが送信された」との弁護側に対し)伝えた記憶はない
      • 注文内容を社外に言うことはない
      • 東京証券取引所の端末で、日興シティグループ証券からの注文を確認して、「注文主不明」として注文状況を伝えることはあり得る
      • 村上ファンドの売買状況を村上ファンドの担当者に尋ねたが、細かくは聞いていない
    • 熊谷被告は、村上ファンドがニッポン放送株を売却することを心配していた
      • 報告に対して、「そうですか。でも、今後どうなるか分からない」と気にしていた

検察側再主尋問

  • 熊谷被告の情報源は、証人以外にもいるだろう