「村上ファンドが降りないことが前提」村上ファンド事件証人・岡本 文人被告への弁護側反対尋問
ニッポン放送の買収
- 平成 16 (2004) 年 12 月上旬に、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)から「ニッポン放送の経営権を掌握して、フジテレビを取る」と立ち話で聞いた
- 「へえ、そうなんだ」と答えた
- 大型案件は他にもあり、「あれ行くから」「これ行くから」と話すことがあった
- 大手プロバイダーやデータセンター事業など
- 500 億円〜 1 兆円
- 1 件だけ途中まで進んだが、他は条件が合わず立消えになった
- 立消えになる案件は多い
- ライブドアの現預金については、考えていなかった
- 今思えば、100 億円未満なら使えた
- ニッポン放送以外の M & A を考えると、そんなに多くは使えない
- (「宮内被告と中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)は、『連結で 400 億円強の現預金があり、200 〜 300 億円は使えた』と証言した」との弁護側に対し)110 〜 120 億円は、ライブドアマーケティングがエクイティ(株式)で調達したもの
- ライブドアマーケティングの経営に使うもので、ライブドアの M & A に使わせる気はない
- 12 月に、ニッポン放送についての資料を受取った記憶はない
- 話が進めば、証人を交えて議論することもあるだろう、と思っていた
- 平成 17 (2005) 年 2 月 8 日までに、フジテレビについての資料を見たことはない
ライブドアとライブドアファイナンスの取締役会
- ライブドアファイナンスの取締役会には、証人も出席する
- M & A の案件について、「大丈夫なのか?」と尋ねたこともある
- ニッポン放送については、検討していない
- ライブドアの取締役会は、議案に反対することも可能で機能していた
- 1 月 11 日に、ライブドアの取締役会が開かれた
- 決議で、ニッポン放送株の 5 % 未満を取得することになった
- 議事録には「10 % まで取得する」とあるが、記憶が定かではない
- 宮内被告は「過半数を取得できなかったらどうする?」と聞いたとき、冗談っぽくはなく真剣だった
- 宮内被告は、いつも慎重
- 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)は、イケイケで面白ければ進める
- リスクマネジメントは、宮内被告まかせ
- 中村被告や塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)は宮内被告の指示で動き、堀江被告を止めることはほとんどない
- 塩野氏は M & A に深い知識があり、経験豊富だから選ばれたのだろう
- 1 月 18 日に、別の案件でライブドアの取締役会が開かれた
- フジテレビによるニッポン放送の TOB が話題になり、継続するか相談した
- 2 月 2 日に、ライブドアの取締役会が開かれた
- ニッポン放送の経営権を掌握できた場合について、「俺、絶対に行かないよ。嫌だよ」と話した
- ニッポン放送に行くことになるなら、反対した
- 堀江被告は了承した
- 「本当に過半数を購入できるのか?」と聞くと、堀江被告は「間違いない」と答えた
- 疑問が解消されなければ、反対していた
- 買収途中の 3 月に、資金繰りに詰まった
- 村上ファンドが降りたため、ライブドアが単独で過半数を購入せねばならず、余計な資金が必要になった
- こうなることが事前に分かっていれば、取締役会で反対していた
企業買収
- 平成 16 (2004) 年 12 月に、熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)が資金調達していることを聞いた
- 平成 18 (2006) 年 8 月に、村上被告の川原 史郎弁護士・奥田 洋一弁護士のヒアリングを受けた
- (「『熊谷被告は、堀江被告がノリノリだからどさくさに紛れて MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)をやってしまおう、と言っていた』と述べた」との弁護側に対し)記憶にない
- 熊谷被告は、プロ野球参入が駄目になったので、大型案件に喜んでいた
- 堀江被告は、年間 20 件弱の M & A 案件を持込んだ
- 下から上がる案件の方が多い
- 20 件弱のうち見込みがあるのは一握りだが、下からでも同じ
- 堀江被告がこだわった案件はすぐには却下せず、付合わざるを得ない
- 堀江被告だけが真剣な案件も多い
- 宮内被告以下が取組むふりをして立消えになることもあるが、件数は知らない
- 宮内被告が部下にスルーパスする案件もあった
- M & A の担当は、堀江被告と宮内被告
- 実務は宮内被告
- 宮内被告は、やる気がなければ「やらない」と終了宣言する
村上被告による尋問
- (「平成 17 (2005) 年 2 月 2 日のライブドアの取締役会で、村上ファンドが売抜けることは考慮したか?」との村上被告に対し)堀江被告が、「絶対大丈夫」と述べた
- 1 月 17 日に、フジテレビが「5950 円でニッポン放送を TOB する」と発表したことも踏まえて、決議を行った
検察側再主尋問
- 「あれ行くから」「これ行くから」と色々な案件があったが、ニッポン放送は他とは違う、と感じた
- 「他」とは、堀江被告だけが真剣な案件や宮内被告が部下にスルーパスする案件
- 使える現預金は、連結で 100 億円未満だった
- 平成 16 (2004) 年 9 月期の連結現預金は約 455 億円で、ライブドアマーケティングの分が約 120 億円
- 残りの約 300 億円については、宮内被告の認識の方が深い
- 「100 億円未満」は、証人のイメージ
- 通常の M & A は、ライブドアファイナンスの取締役会で決議する
- ライブドアファイナンスの取締役は、堀江被告・宮内被告・証人
- 担当者が堀江被告に報告して、了承を得る
- 財務諸表やディスカウント・キャッシュ・フロー DCF やデュー・デリジェンスの資料が提出される
- リスクマネジメントは、宮内被告が担当していた
- ニッポン放送についてもリスクマネジメントしながら進めているのだろう、と思った
- 平成 17 (2005) 年 1 月 6 日夜に、取締役全員へメールが送信された
- 1 月 11 日の取締役会の議案が添付されており、目を通した
- 1 月 11 日 14 時 29 分に、取締役全員へメールが送信され、議事録が添付されていた
- 議事録が取締役会の内容と異なることに気付いていれば、話をしているだろう
- (「反対尋問で用いた議事録は、3 月に落合 紀貴氏(ライブドア執行役員)が作り直したものである」との検察側に対し)作り直したことは知らなかった
- 最初の議事録では、「ニッポン放送株の過半数を取得するために、5 % 未満を水面下で購入する」とあり、記憶通り
- 村上ファンドが降りないことが、前提だった
- 村上ファンドが降りたとき、ライブドア内は「信じられない」と混乱した
- 今思えば、「契約書はあるんですか?」と聞くこともできたが、堀江被告と宮内被告を信頼していた
- 取締役会でニッポン放送の有価証券報告書は配布されず、各自が確認した
- 有価証券報告書以外には表面的なものしかなく、入ってみないと分からない
- 上場企業の TOB は、ライブドアファイナンスではほとんど話し合われない
- セシールやバリュークリックジャパン(現・ライブドアマーケティング)
- 情報漏洩やインサイダー取引を防止するため
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