「堀江被告『年内に TOB』」村上ファンド事件証人・塩野 誠氏への弁護側反対尋問

「堀江被告『年内に TOB』」村上ファンド事件証人・塩野 誠氏への弁護側反対尋問

ニッポン放送の買収

  • 平成 16 (2004) 年 9 月 15 日から 11 月 8 日までに、村上ファンドの大量保有報告書を見たことはなく、ライブドア証券の QUICK でも村上ファンドの保有率の変化に気付いた記憶はない
    • 村上ファンドと協調しているので、変更点があれば教えて貰える、と思っていた
    • トリイ ジュンコ(表記不明)氏(M & A コンサルティング元社員)に会ったときに聞いたことはある
    • 16.63 % 以外の数値は覚えていない
      • TOB 前に確認すればいいから、それまでの数値にはこだわっていなかった
  • 宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)は、「フジテレビを取る」と言っていた
    • フジテレビも、証人の担当だった
    • 宮内被告から証人へ「ニッポン放送の資産を使って、フジテレビまで行く」とメールが送信された
      • ニッポン放送の経営権を掌握して、ライブドアと合併する
      • ニッポン放送の保有資産を売却したり、デット(借金)やエクイティ(株式)により資金調達したりして、フジテレビ株を購入する
      • ニッポン放送を議決権ベースで支配して保有資産を売却するには、村上ファンドと外国人株主の賛成が必要だが、彼らが許容することは自明
      • 外国人株主とは、サウスイースタン・アセット・マネージメントとピーター・キャンディル・アンド・アソシエイツ
      • 村上ファンドや外国人株主は、ライブドアに支配されたニッポン放送の企業価値が上がった後の適当な時期に、ニッポン放送株を売却するだろう、と考えていた
      • 「N 社について」に「外国人株主は、村上ファンドに賛同する」とあったり、11 月 8 日の打合せで「外国人株主は村上ファンドをモニタリングしている」と言われたりしたので、両者はコミュニケーションしている、と思っていた
      • トリイ氏から情報を得て、9 月 18 日に堀江 貴文被告(ライブドア前社長)と宮内被告へ「村上ファンドは、ライブドアにどこまでやらせるか検討中のようです」とメールを送信した
  • 10 月 8 日に、堀江被告へ「浮動株が 0.2 % と少ないため、ブロックで買取開始」とメールを送信した
    • 0.2 % という数字を四季報から取ったか不明
      • メールの「浮動株」とは「市場で買取れる株」のことだが、四季報における「浮動株」の定義はすぐには思い出せない
      • ニッポン放送は 10 株で 1 単位なので、株価を 5500 円とすると 50 単位の購入には 275 万円必要
    • ライブドアの当時の浮動株は 0.4 % だったが、売買は活発だった
      • (「四季報の数字では、判断できないのではないか?」との弁護側に対し)その通り

宮内被告からの指示

  • 9 月 15 日に、宮内被告からニッポン放送の買収スキーム立案を指示された
    • 宮内被告が「1/3 取得する」と言ったか定かではない
      • (「平成 18 (2006) 年 6 月 17 日の供述調書に、『宮内被告が、1/3 取得すれば過半数、と述べた』とある」との弁護側に対し)今は定かではない
  • 平成 16 (2004) 年 9 月 22 日に、宮内被告から証人へ「ニッポン放送株をブロック・トレードで 20 % 取得」とメールが送信された
    • この時点で「N 社について」を見ていたか不明
    • (「宮内被告は、『1/3 を 20 % に変更して、村上ファンドに押込んで来い』という意味だった、と証言した」との弁護側に対し)そうは思わなかった
      • 宮内被告と口頭でも話したが、「押込め」と言われた記憶はない
      • 宮内被告に、「20 % で行くことにした」や「村上ファンドに行って、20 % で掛合って来い」と言われた記憶もない
    • 宮内被告にメールの真意を確認したかもしれないし、「N 社について」を見ていたかもしれない
    • 宮内被告が指示するときは、堀江被告の了承を得ている
    • (「平成 18 (2006) 年 6 月 17 日の供述調書に、『1/3 取得の方針は変わらず、まず村上ファンドの紹介で 20 % を取得する、と受取った』とある」との弁護側に対し)段階的に購入することはあり得る
    • 購入先は、トップが出席する打合せで村上ファンドから紹介される、と思っていた
  • 平成 16 (2004) 年 10 月 8 日に、堀江被告へ「鹿内家と銀行で合計 18.74 %(約 320 億円)」とメールを送信した
    • 「鹿内家と銀行」は、村上ファンドに紹介して貰う
      • どんな投資家であれ、紹介して貰えるところは紹介して貰う
      • 「鹿内家と銀行」はトリイ氏の資料から記載したが、村上ファンドがどう判断していたか知らない
    • 「20 %」は堀江被告・宮内被告・中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)・証人の共通認識だった、と思う
    • 村上ファンドを通じて、サウスイースタン・アセット・マネージメントとピーター・キャンディル・アンド・アソシエイツに保有し続けるように依頼したことはない
    • 以下の 2 点を村上ファンドとの契約書に入れるつもりだったが、拒否された
      1. 村上ファンドが保有を続け、議決権でライブドアに協力する
      2. 外国人株主に対しても、善処する
    • 「N 社について」に「外国人株主は、村上ファンドに協力する」とあったので、そう思っていた

村上ファンドとの打合せ

  • 11 月 8 日に、村上ファンドと打合せを行った
    • ライブドアから開催を持掛けた
      • 堀江被告が中村被告と証人に、「状況を説明した方がいいんじゃないか」と指示した
      • 中村被告の資金調達の目途が立ちそうだったので、1 度村上ファンドに行って話すことになった
      • トリイ氏とメール以外に、電話でも日程を調整したかもしれない
      • 堀江被告が出席できなくても、最高財務責任者 CFO の宮内被告が出席すればいい、と思っていたかもしれない
      • トリイ氏に堀江被告が出席するか聞かれ、村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)が出席するので「格合せね」と返信した
    • 11 月 4 日に、トリイ氏と会った
      • ニッポン放送の企業価値の話を中心にした
      • 資金調達状況も話したかもしれない
      • 10 月 5 日に会ったときに、中村被告から聞いた通り「200 億円のコミットメントラインと 100 億円の現預金」と話しており、11 月 4 日も同様
      • 300 億円という金額から 20 % と伝わっただろう
      • 10 月 20 日に、トリイ氏へ「借入が可能になりました」とメールを送信した
      • 10 月 5 日以降、中村被告の話に変化はなかったと思うが、確度が上がった
      • 中村被告に「打合せを開いてくれ」と言われたのではなく、堀江被告に指示され、宮内被告と証人も相談していた
    • 打合せで、1/3 取得しなければいけない、と思ったか定かではない
      • (「宮内被告は、『20 % に変更したことが伝わっていなくて、1/3 取得せざるを得ない、と感じた』と証言した」との弁護側に対し)村上被告は、「外国人投資家は、フェアバリューなら売る」と言っていた
    • 堀江被告が、「年内に TOB」と言った
      • 証人は「年内」という意向は知らず、買えるところから買う、と思っていた
      • 「買えるところ」を調べたり、「銀行から買う」という話が出たりした記憶はない
    • 打合せの目的は、村上ファンドが売却しないように資金調達状況を伝えることだ、と思っていた
    • 滝沢 建也氏(M & A コンサルティング副社長)が、外国人株主の議決権と株式売却について説明した
      • 議決権も株式売却も、株主は同じ
      • 資金があれば買いたいが、なければ賛同してほしい
      • (「宮内被告は、『20 % で済ませたかったが、外国人株主の話が出たので 1/3 取得せざるを得ない、と感じた』と証言した」との弁護側に対し)買えるのであれば買いたい、と思った
    • 宮内被告が、「資金調達について、複数の銀行と話をする」と言った
      • 具体的な銀行名は知らない
      • 宮内被告が、金額を言ったか不明
      • 打合せ時点で、200 億円以外の資金調達については聞いていない
    • 供述調書に「打合せで村上被告が、『17 % 持っているから、ライブドアが 1/3 取得すれば過半数になる。分かっているな』と堀江被告に言った」とあるのは、その通り
      • (「1/3 取得するように言われており、矛盾する」との弁護側に対し)「年内に TOB」の方が、矛盾の度合として大きい
  • 平成 16 (2004) 年 11 月 8 日から平成 17 (2005) 年 1 月 6 日までに、ライブドア内でニッポン放送に関する打合せは何回かあった