「ニッポン放送の評価額に 1200 億円の誤差」村上ファンド事件証人・塩野 誠氏への弁護側反対尋問

「ニッポン放送の評価額に 1200 億円の誤差」村上ファンド事件証人・塩野 誠氏への弁護側反対尋問

M & A

  • ライブドアに入社してからニッポン放送の案件までに、証人が買収スキーム立案で M & A に関与したのは 10 〜 20 件
    • 上場企業の敵対的買収案はあったが、立案・実行はない
  • 前職でも、M & A の中心業務や周辺業務の経験がある

ニッポン放送の買収

  • 平成 16 (2004) 年 9 月 15 日に、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)からニッポン放送の買収スキーム立案を命じられた
    • 証人の仕事は、対象企業の調査
      • 株主状況の調査は必須なので、11 月 8 日までに有価証券報告書や短信は調べたが、大量保有報告書は見ていない
      • ライブドア証券に導入されている QUICK を利用してニッポン放送について調べたか定かではない
      • 上場企業として公表しているデータからバリュエーション(企業価値評価)も行ったが、成果物が残っているか不明
      • 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)・宮内被告・中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)とメールや口頭で、プレミアムは共有した
  • 平成 17 (2005) 年 1 月 13 日に、堀江被告へ「ニッポン放送の資産を軽く再計算しました。時価総額と B/S に 1200 億円程度の乖離があります」とメールを送信した
    • Cc: で宮内被告・熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)にも送信した
    • 「簿価 194 億円/時価 2957 億円」とあり、時価と時価総額約 1800 億円との差が 1200 億円程度
      • 見積もりがかなり違うように見受けられる
    • 時価は、「N 社について」の「保有資産の状況」の以下の合計して求めた
      • 投資有価証券 69 億円
      • 関係会社株式 1445 億円
      • フジテレビ 1261 億円
      • ポニーキャニオン 110 億円
      • フジサンケイリビング 7 億円
      • 横浜ベイスターズ 65 億円
      • 彫刻の森 0 億円
    • 「フジテレビ以下は関係会社株式の内訳であり、合計すると重複することになる」と堀江被告らに注意されたかもしれない
  • ニッポン放送について弁護士に相談したのは、1 月か 2 月
    • 証人が持込んだ
    • TOB の施策と TOB 前にどこまで買い進めるかを聞いた

ニッポン放送についての調査

  • 買収スキームに関して作成した書類は、開示されているもののみ
    • ライブドアではあまり書類を作らず、作っても「いらない」と言われる
  • ニッポン放送の案件でトリイ ジュンコ(表記不明)氏(M & A コンサルティング元社員)に会ったのは、10 回以下だろう
    • 資料や情報を受取って、企業価値を話した
      • 財務状況の資料は、見せられたが受取っていない
  • TOB の規制や日本および諸外国の敵対的買収の類似事例を調べた
    • ヤクルト
    • ファイザー製薬
    • AOL とタイムワーナー
    • エスエス製薬
    • ケーブル・アンド・ワイヤレス IDC
  • ニッポン放送の株主については、有価証券報告書を見た
    • 宮内被告に「村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)によく聞け」と言われていたので、村上ファンドとの打合せでも聞いた
    • トリイ氏からは、余談として聞いた
  • 平成 16 (2004) 年 10 月 8 日に、堀江被告へ「ニッポン放送をブロックで買取可能なので、買収に入りたい」「鹿内家と銀行で合計 18.74 %(約 320 億円)」とメールを送信した
    • 浮動株は 0.2 % と少なかった
    • 「鹿内家と銀行」は 1 つの選択肢
      • 鹿内家の分が取れないと成就させることはできないが、ライブドアに味方するだろう、と思っていた
      • 「銀行」とはみずほコーポレート銀行・東京三菱銀行・三井住友銀行だが、打診は行っていない
      • 銀行は持合解消のためにニッポン放送株を売るだろう、と思っていた
      • 3 行がフジテレビに売却していたことを当時知っていたか不明
      • 3 行が売却済であれば、別の選択肢を考える
    • 「可能性があるから打診してよいか」という意味で、「『可能』の使い方がおかしい」と言われればおかしい
    • 10 月 5 日のトリイ氏との打合せを踏まえて、メールを送信した
      • トリイ氏が 3 行のニッポン放送株売却を知っていたか不明
    • 3 行のニッポン放送株売却は、9 月 10 日のフジテレビのリリース文で知ったと思うが、時期は分からない
      • リリース文に「ニッポン放送株 405 万 5700 株を取得しました」とあるが、銀行名は記載されていない
      • トリイ氏から聞いた記憶はない
    • 堀江被告は「気持ち良く行って下さい」と返信したが、3 行には打診していなかった
      • 中村被告に「300 億円くらいなら何とかなるから、進めてくれ」と言われていたが、完全ではなかったので情報漏洩を避けるため
    • 直近の株主状況は、把握していなかった
    • 打診はしていなかったが、取得簿価より高いフェアバリューで売ってくれる機関投資家を考えていた
    • 知人への個人的な打診も行っていない
    • 「村上ファンド 16.63 %」とある
      • 「N 社について」で、村上ファンドの保有率が約 18 % と知った時期は分からない
      • 9 月 15 日は、宮内被告から「約 20 %」と言われただけ
      • 10 月 5 日に、村上ファンドの保有率が下がっていることを認識した