「ニッポン放送株購入を伝えたが伝わらなかった」村上ファンド事件証人・宮内 亮治被告への検察側再主尋問

「ニッポン放送株購入を伝えたが伝わらなかった」村上ファンド事件証人・宮内 亮治被告への検察側再主尋問

11 月 8 日の打合せ

  • 反対尋問で、「平成 16 (2004) 年 11 月 8 日の打合せでは、村上 世彰被告(M & A コンサルティング前代表)はライブドアが本気とは受止めなかっただろう」と証言した
    • クレディ・スイス銀行からの融資の話はしたので、ニッポン放送の発行済株式数の 1/3 購入に向けて、準備をしていることは伝わっただろう
    • 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)が「年内に TOB」と言うなど、ライブドアが経営権掌握を目指しているアピールはした
      • 村上被告は、「買え」とも言わずにのけぞっていて、まだ柔らかい案件だった
      • 伝えたが、伝わらなかった
    • 村上被告は、「1/3 買って、ああしてこうして」とも言わなかった
    • 滝沢 建也氏(M & A コンサルティング副社長)から、株主状況も聞いた
      • 9 月 15 日の打合せではなかった
      • 9 月末や 10 月末など直近の状況だろう
    • 終了間際に、証人は「うちは 1/3 やりますので、よろしくお願いします」と村上被告に告げた
      • 堀江被告も、「よろしくお願いします」と言った

ニッポン放送の買収

  • 敵対的買収が難しい理由は、以下の通り
    1. 株式の購入が難しい
    2. 買収後の運営が難しい
  • 1 はライブドアの作業ではない、と考えていた
    • 1 はライブドアには無理
    • 証人は 2 を重視していたため、乗り気ではなかった
  • ニッポン放送株購入に当たり、以下の役割分担があった
    • ライブドアは、資金調達
    • 村上ファンドは、株主との交渉と買収スキーム構築
  • 10 月 8 日に、堀江被告が「Re: フジの件」という件名で、「気持ち良く行って下さい。最優先です」とメールを送信した
    • 現場は面倒くさいと感じていたが、ライブドアはトップダウン企業なので、堀江被告の意向が占める部分が大きい
    • メールの履歴が添付されている
      • 9 月 22 日に、証人が「資金調達は、中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)が中心」と送信した
      • 塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)が、「村上ファンドと打合せをしました。経営権を取りに行きたいと思います」と返信した
  • 10 月 13 日に、堀江被告が「いいですね。これが来年最大のディールになりますね」とメールを送信した
    • 10 月頃は、堀江被告として最優先で、ライブドアとして優先順位が高かった
    • 証人は、個人的感情とは別に指示していた

村上被告とニッポン放送

  • 11 月 8 日の打合せで、証人は「うちは 1/3 やります」と村上被告に言った
  • 12 月に、村上被告に「なぜニッポン放送株を買っていないのか」と 2 回怒られた
    • 1 回は「おい、やる気あるのか」と言われて、「もちろんです」と答えたが、証人たちはそそくさと帰った
      • この時点では、村上被告に 1/3 購入が伝わっていた、と思う
  • 11 月 8 日以降、ニッポン放送以外の案件について、証人から村上被告に依頼したことはない
    • 話をしたことはある
    • 証人は、日本振興銀行に興味があった
      • 35 〜 40 億円規模
      • ニッポン放送との同時進行は可能
  • 12 月までは、ライブドアでは堀江被告・証人・中村被告・塩野氏が関与していた
    • 12 月から、熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)が関与した
    • 9, 10, 11 月は、村上被告が一番大事な交渉相手だった
      • 話をすり合わせるという意味で、交渉相手は村上ファンドというより村上被告
      • 堀江被告は村上被告と仲が良かったが、懐に飛込んでいたかは分からない

9 月 15 日 と 11 月 8 日の打合せ

  • 9 月 15 日の打合せで、塩野氏とトリイ ジュンコ(表記不明)氏(M & A コンサルティング元社員)を担当者に決めた
    • 村上被告が、塩野氏を指名した
    • 話が進展してから、再度打合せを行うことになった
    • トップどうしの案件なので、証人は一歩引いていた
  • 20 % を購入する準備が大分進んだので、11 月 8 日の打合せを行った
    • 塩野氏とトリイ氏の連絡で、20 % を購入することが村上被告に伝わっていると思っていたが、伝わっていなかった
    • 資金の目途はついたが、取締役会を通るかは分からなかった
    • 証人は、10 月 25 日に役員を退任していた
      • 取締役の肩書が外れても、ニッポン放送の担当だった
    • ニッポン放送のデュー・デリジェンスは、行っていない
      • デュー・デリジェンスでは、財務状況だけでなく人や社内システムも見る必要がある
      • 敵対的買収だから、人や社内システムを見ることができない
      • 村上被告の資料で、資産価値を判断した
    • 9 月期のライブドアの粉飾決算は現預金であり、負債には関係ない
      • バランスシート B/S の勘定科目については、虚偽がない
      • ライブドアの粉飾疑惑で押収された資料から、村上ファンドの調査が始まったので、第 3 回公判で「すみません」と村上被告に謝罪した

村上被告との関係

  • 村上被告に 2 回会って、1 回は酒を飲んだ
    • 村上被告に、「ニッポン放送株を買っていないだろう」と言われた
      • 「市場でニッポン放送株を買え」ということ
  • 村上被告と堀江被告は、電話し合っていた
    • 堀江被告は、ホームパーティーにも呼ばれたらしい
    • 2 人の間で話が進んでいるだろう、とは思っていた
      • (「交渉の詰めを行うのは、証人ではないのか?」との検察側に対し)堀江被告がやりたがっていた
  • 村上被告に、「場で買え」と言われていた
    • 「紹介を受ける株主の分を合計しても 1/3 に足りないので、不足分を市場で買え」ということ

11 月 8 日の打合せ

  • ライブドア側の出席者は、堀江被告・証人・中村被告・塩野氏
    • 通常、打合せに堀江被告・証人・中村被告の 3 人が揃うことはない
      • 中村被告は、フロントラインではない
    • 堀江被告・証人が揃うことはよくある
      • 案件の大小は問わないが、どちらかと言えば大きい案件
      • 案件の確度は問わない
      • 1 回目の打合せに出席して、やりたかったら毎回出席する
      • 証人はニッポン放送買収に乗り気ではなかったので、2 回目は出席しなくてもよかった
  • 銀行からの融資が難しくなったので、資金調達先の見直しが 9 月 15 日の打合せからの重要な変化だった
  • ライブドアの社運がかかっていて、一歩間違えれば倒産の可能性もあった
    • 堀江被告の言動次第で、中止させるつもりだった
  • 村上被告がライブドアに話を持ち掛けたのは、ライブドアならやる、と思ったからだろう
    • プロ野球の近鉄買収騒動で、村上被告は堀江被告がテレビ局を欲しがっていることを知っていた